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がくえんまえ鍼灸院



病を診るのではなく、その人を診ること。それが仕事です。

がくえんまえ鍼灸院
瀧川貴啓

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東洋医学とか、鍼灸とか
はてさて、それはどんなものなんだろう。


「人は自分で自分の身体を癒す力を持っているんですよ」
そう「がくえんまえ鍼灸院」の瀧川さんは言った。
そう言えば確かにそんな言葉をどこかで聞いたことがあった。だが、あまり感心した覚えがない。
さらに鍼灸の術とは、自らが癒そうとするその力を補助する
ものであって、先頭に立って病気と闘うようなものではないとも付け加えた。
ふーん、そうなのか。
だけど病気に悩んでいる時、ぐいぐいと先頭に立って
病の元をばっさばっさと切り倒してくれないと困る。
そう思った。

「細菌に感染した場合は別ですけど、
ほとんどの病気の場合、身体の中になにか悪いものがはびこってそうなったわけじゃないんですよ。
本来のバランスを失ってしまっているから、なんらかの症状として現れるんです」
人の身体にはヤジロベエのような復元力があって、
左に大きく傾けば右に、右に傾けば左に戻そうとする。
ただその力が弱まっている時、猫のように大きく背伸びをしながら深呼吸したり、ツボを押したり、身体を揉みほぐしてもらうと、バランスが元に戻りやすくなる。
つまり病が癒されていく。そういうことだと言うのだ。
ふむ、それってどれも気持ち良さそうなことばかりだけれど、
それで病気が治りやすくなるって言うのなら、結構よろしいお話のような気がしてきたぞ。

自分の身体と
戦ってはいけないようなのだ。


薬で治すというのは、薬という正規軍が痛みとか不快感とかといった輩を制覇するというイメージがある。
悪を討つというやつですね。
だが鍼灸の方では、痛みや不快感をそのような悪玉とか敵とはみなさずに、身体の方がちょっとムクれているのだと捉える。
日頃の自分の身体の使い方についてへそを曲げているのだと。だからなだめに行く。
身体の言葉に耳を傾け、機嫌を直してくれるように手を尽くす。 
だが自分の身体のこととはいえ、日頃の悪行ゆえに、相手からの信頼はまるでゼロ。
そういう時に調停役として鍼灸の人が登場する。
瀧川さんの話を聞いているうちにそんなイメージが頭に浮かんできた。

無理やりに制覇しようとすれば抵抗もそれ相応に激しくなる。
だが、なだめられると、いつまでも片意地を張っているのもねえということになって、意外とすぐに機嫌を直してくれるのではないだろうか。
薬なのか鍼灸なのか、どちらが正解なのかはわからないけれど、自分の身体の中のことであるならば、そこが戦場になるよりは、話し合いの場になってくれた方がありがたい。
たしかに症状に出てしまえば、薬で対処した方が手っ取りばやい。だが原因が自分の身体がムクれていることにあるのだとしたら、薬だけでは無理やり黙らせてしまったようで、
後々話がこじれそうだ。それでは困る。

なんだか調子が悪いなあと思えば相談に行く。
大事に至らないための対処法です。


要はケースバイケースということなのだろう。
症状が出てしまえば、まずは薬で対処して、症状が治まれば、それでおしまいとせずに、身体の訴えをちゃんと聞いてやる。
なぜあんな痛みや、だるさや、眩暈があったのか。その原因を探っていく。そうすれば大病を患って、長期入院などということも避けられるかもしれない。
「未病治」という言葉を瀧川さんが教えてくれた。症状の重い病気になる前に治してしまうというようなことらしい。
やたらに肩が凝る。頭がすっきりしない。目がかすむ。調子悪いなあと思うようなことはたびたびある。
でも激しく咳が出るとか、下痢をするとか、眩暈がするというような症状が出ないと
あまり医者に行こうとはしないものだ。
だがこのような未病の時点で適切な処置をしていると、大事になるようなことはあまりないのだという。

どうやら鍼灸院という所には、具体的な症状には表れていないが、
いまいち調子がよくないというような時にまず訪ねるのがよろしいようなのだ。
「これはこの道の先輩の言葉なんですが、どうも人は自分の身体の取扱説明書を十分に読んでいないようだというんですね。
隅々まで読めば寿命まで生きられるし、故障があってもその対処法はちゃんと書いてある。鍼灸の仕事というのはその説明書のありかを示して、そこに書いてあることを少しばかりわかりやすく噛み砕いてあげる。そういったことなんじゃないかと思うことがあります」
自分の病を治すのは、自分の力である。
冒頭に掲げた瀧川さんが語った言葉だ。
うーむ、なるほど、随分とわかってきたような気がしてきたぞ。

(撮影には、ご家族の協力を得ました)

施術時間 9:00〜13:000  16:00〜21:00 (木日除く)
定休日 火曜日・祝祭日
住所 奈良市登美ヶ丘2-1-10-2 (地図) 駐車場あり
電話番号 0120-89-1715 0742-45-9345
ホームページ http://www3.kcn.ne.jp/~takigawa/
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