舒 花 (shuhua)



やわらかく、あたたかく、そして包みこむように。

布ナプキンとシルクフラワーの店 舒 花(shuhua)
白川りょう子

rune2


舒花。「shuhua」と読む。
「しゅーふあー」でも、「シューフアー」でも少しニュアンスが違うらしい。やはり「shuhua」。
中国の言葉で「舒」(shu)には心地良いというような意味があり、「花」(hua)は綿花からとったのだと、この名をもつ店のオーナー、白川りょう子さんが教えてくれた。
布ナプキンとシルクフラワーを扱うお店である。

布ナプキン。
生理痛で長く苦しんだ白川さんがたどり着いたひとつの解答である。 その存在は知っていたけれど、忙しい日々を送っていた間は意識を向けなかった。
あるとき台湾へ語学留学を思い立った。学生生活に戻ると時間の余裕が生まれる。
その時布ナプキンのことを思い出し、試してみようと思ったのだそうだ。
使い続けているうちにあれほど自分を悩ました生理痛が次第におさまっていくのを実感した。痛み止めの薬の量が減っていき、ついには必要なくなったという。


「なぜそうなったのか読んだり、勉強したりしましたけれど本当のところはよくわかりません」
天然由来の綿製品だから肌に優しいということもあるだろう。通気性がいいから蒸れにくいということもあるかもしれない。
皮膚からの吸収率が手のひらの50倍にもなる女性のデリケートな部分。そこに石油から生成された高分子ポリマーで作られたものを一週間近くあてがっていることによるなんらかの支障も考えられないことではない。
ホームページや専門書などからそのような知識はいくらでも入ってくる。
けれど、それよりなにより自分で使ってみて月に一度のあの痛みから
解放された実体験の方が大きかった。
「だから試してみてほしいと思うんです」
そう言うと白川さんははにかんだように笑った。
この人には自分の発した言葉にじっと耳を凝らしているようなところがある。
言葉が自分の思いを十分に伝えることができたのか、心もとなくなるのだろうか。
語れば語るほど、ただのセールストークになってしまっていないかと恐れるふうでもある。

「もちろんお店をやっていこうとしているのだから、売れないと困るんですけれど、それよりもせっかくここに問題を解決してくれるかもしれない選択肢があるのに、それを知らないでいたり、知っていても手に取ろうとしないのはすごくもったいないことのように思えるんです」
彼女の言葉に思いが十分にのった。
思わず頷き返していた。


日本が高度成長期に入る頃に生まれた紙ナプキンは、その手軽さゆえにどんどん進化していき、女性の社会進出の後押しをした。
できるだけ無理をしない方がいい時期であったはずが、紙ナプキンを使うことでそうでもなくなった。
不快な時間を手間暇をかけずに何とかやり過ごすことができるようになった。
でもね、と白川さんは言った。
そのおかげで私たち女性は大切な何かを失ってしまったのかもしれません、と。
「たしかに忙しい時もあるでしょうけれど、そんな時には紙ナプキンを使ってもいいと思います。
使い分ければいいんです。でもやはり生理の時期というのは、静かに体をいたわる時間なんだと思います。そうなのについ無理をしてしまう。あの痛みはそんな自分に対する身体からの抗議の声だったのかもしれません」

便利であることを拒むことはない。
簡単であった方がいいこともある。
でもそのせいで失うものがあったとしたら・・・。
イケイケドンドンの時間が行き着いた果てに、もう一度人間にとって何が重要なことなのか考え直そうという機運があちらこちらで見えはじめているけれど、白川さんの布ナプキンもそういったもののひとつなのだろうと思った。

■補足情報
2015年2月10日をもって実店舗での営業を終了。
以降は白川さんの自宅の一部をショールームとして随時見ていただけるようにするとのことです。
ご希望の方は、090-9137-6449(白川)まで。
自宅住所:相楽郡精華町桜が丘3-17-15
営業時間11:00〜16:00
定休日木・金・日曜日
住所京都府相楽郡精華町桜ヶ丘4-25-3-103 (地図)  駐車場あり
電話番号0774-69-3501
ホームページhttp://www.shuhuanunonapukin.com/
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