TOP特別連載企画お氣にいりを喫茶する。

お氣にいりを喫茶する。

maikaika1

お氣にいりを喫茶する。
-ならやま茶館のメニューから-
第一回 まい瑰花茶


まい瑰花茶。「まいかいか」茶と読む。
ならやま茶館の谷山さんによると、春に飲むといいお茶なのだそうだ。
早春から春たけなわにかけて、冬の体から暖かい季節へ体の機能はシフトを変えるのだが、その時どうしてもスムースに変わらない部分がある。とくにこの季節、「肝」の流れに支障の出ることが多いのだそうだ。
不調が目に表れやすく、花粉症や五月病と言われるものもこの「肝」の流れに乱れが出ることに起因すると言われていたりする。
だからならやま茶館のお茶を紹介するこの連載で、季節のこともあり第一弾はまい瑰花茶としたのだが、
気がつけばもうすでに梅雨になっていた。
少しばかりサボりすぎた。どうか一ヶ月ほど巻き戻したつもりで読んでやってほしい。
さてそのまい瑰花茶。
透明なティーポットの中で赤い液体のうえにバラ科ハマナスの蕾が浮かんでいる。
まるで貴婦人と同席しているかのようなゴージャスな香りが鼻の辺りにたゆたい、口に含むとほのかに甘く、
おっさんの心を少し切なくしてくれたりするのだ。
ならやま茶館の数あるお茶の中でおっさん、いや記者の一番のおススメが、このまい瑰花茶である。
昼も遠く過ぎてランチタイムの喧騒も一息つき、静かにまどろみ始めているならやま茶館に顔を出して、
注文するのはいつもこれだった。
胸のつかえや脇腹のはりを解消し、晴れやかな気分にしてくれるのだそうだ。落ち込んでいるとき、イライラしているときに特によろしいとある。
嬉しいことも、悲しいことも、直球勝負の毎日を過ごしていると、ふと弱音を吐いてへたり込みたくなる。
そんなときにこれを飲むと、ぼわっと体の中から邪気がため息と一緒に立ち上ってきて、
部屋の中へかき消える。
ほんの少しだけ前向きな気持ちになり、俯いていた顔を起こすと、谷山さんがそばに立っている。
笑ってもいず、怒ってもいず、哀しんでもいず、ただ静かで深い水面のようにそこに居る。
気づいてああと笑いかけると、「450円」と低く深い声で言って、手を差し出すのだった。

まい瑰花茶  450円(税込)

第二回へつづく

maikaika2
取材先薬食カフェ ならやま茶館
営業時間9:30〜20:30
定休日水曜日
住所奈良市右京1-3-1-3-112 平城第2ショッピングセンター (駐車場あります) (地図
電話番号0742-72-1168
ホームページhttp://narayamasakan.com/
このページのトップへ

メニュー

サイト開設以来の総訪問人数

 人

総アクセス数

アクセス