TOP特別連載企画蕎麦人のこころ

蕎麦人のこころ

beguru

蕎麦人のこころ
前口上


「こだわる」という言葉をやたらに目にする。
雑誌をぺらぺらとめくっているとその言葉の三つや四つ、
すぐに見つかる。
あちらでもこちらでも、やたらにこだわっているようで、
そんなにこだわっていて疲れないかと思うほどだ。

さて蕎麦の話なのである。
蕎麦打ち職人の話であり、蕎麦屋の主の話である。
蕎麦とか職人とかという言葉が文章の中に出現すると、
ほら、感じないだろうか。そろそろ出番かと「こだわる」という言葉が
楽屋裏をうろつき始めるのを。
「素材にこだわる、蕎麦打ちにこだわる、味にこだわる」。
蕎麦とくれば「こだわる」。まあなんてお似合いなんでしょうと賛辞を送りたくなる。
ところがこの言葉、何にこだわっているかということは書かれてあっても、
どうこだわっているのかはあまり書かれていない。
「こだわる」という言葉を使えば、なにか意味ありげになって、ありがたそうで、
いかにもな感じになって、それ以上の説明は必要ないかのようだ。
つまりは「大変よろしいようである」ということを、
短い文章の中で語るのにはとても便利な言葉ではあるけれど、
結局のところ、何がよろしいのか、わかったよーな、わからぬよーな曖昧な言葉でもある。
味わったことがなくても、使ったことがなくても、買ったことなど一度もなくても、
「こだわりの商品」と書けば何か伝えた気になるし、読む方も何か感じたふうになる。

だから「こだわる」という言葉が出てくると、ああまたかとげんなりする。
しかしまた一方、これからここで連載しようとしているのは、
その「こだわる」という言葉が実にふさわしいことのような気もしている。
登場するのは精華町は光台に店を構える「蕎麦人」の主、横山尚宏さんである。
その横山さんから聞いたこと、問うたこと、なるほどねと感心したこと、
ええ?それはどうなのと聞き返したことなど、何回かに分けて書いてみようと思っている。
そんなことを続けているうちに、「こだわる」という言葉が本来持っていたはずの意味に
出会うことができればいいなあなどと思ってもいる。
よろしくお付き合いのほどを。

蕎麦人のこころ 第一回

取材先石臼挽き手打そば 蕎麦人(そばじん)
営業時間11:00〜14:00   土・日・祝に限り17:00〜19:00も営業
定休日水曜日
住所相楽郡精華町光台4-45-10 (駐車場あります) (地図
電話番号0774-94-5332
ホームページhttp://www.sobajin.co.jp
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